お精抜きを宗派の違うお坊さんに依頼してもよいか?
お仏壇処分を検討してお精抜き(魂抜き)をしようと思っているが、お付き合いのあるお寺様(菩提寺)がいない、もしくは引越しなどにより菩提寺に依頼ができなくなってしまった。
現代では寺院の檀家離れが進みつつあり、このような状況の方も多くなってきています。
近くのお寺が自分の宗派と違う場合、このお寺からお坊さんを呼んでお精抜きをしてよいのか?
一般論としてお話いたします。
1.そもそも宗派とは?
インドで生まれた仏教は日本に西暦500年中頃に伝わり、聖徳太子の摂政から広まったと言われています。
平安時代になると最澄が天台宗、空海が真言宗を、鎌倉時代には親鸞聖人や日蓮聖人など多くの宗祖が現れ、いくつもの宗派が生まれました。
分かれた要因としては様々な理由がありますが、インドで教えを説くお釈迦様が亡くなった後(仏滅)、教えについての解釈の違いから分裂し、日本に伝わった後も日本の高僧たちが日本的にアレンジしていきました。
現在の日本には13宗56派あると言われています。
13宗だと以下になります。
法相宗
律宗
華厳宗
真言宗
天台宗
日蓮宗
浄土宗
浄土真宗
融通念仏宗
時宗
臨済宗
曹洞宗
黄檗宗
自分の宗派を今一度確認してみましょう。
2.宗派の違うお坊さんに依頼してもよいか?
結論から申しますとお坊さんが受けてくださる限り、どの宗派でも依頼してもよいです。
と言いますのは宗派の違いは上記にもありますが、教えの解釈、悟りの開き方や作法が違うだけで、元の教えは同じです。
「魂」の考え方の概念は基本的に同じなので、「魂抜き」を違う宗派で行っても、ご自身に宗派のこだわりがなければお願いしても問題はありません。
しかしながら浄土真宗のみ「魂を入れる・抜く」という概念がありません。
仏壇仕舞いには「遷仏法要」を行います。これは他の宗派のお精抜きに当たり、読経を行います。
お坊さんが受けてくれる限り問題はないと思いますが、こだわる方は浄土真宗のお寺にお願いしましょう。
近くのお坊さんが受けてくれない場合も、最近では供養と処分を同時に行う業者サービスもあります。
宗派にこだわりがなければ、頼んでみてもよいでしょう。
3.気を付けること
違う宗派のお坊さんが受けてくれる、自分も宗派にこだわりがない、しかし気を付けることがあります。
お仏壇はその「家」に関わる重要なものです。
自分にこだわりがなくとも、家族や親族に宗派へ強いこだわりがある方もいらっしゃいます。
処分してしまった後でトラブルにならないようによく相談することも必要です。
お精抜きを宗派の違うお坊さんに依頼してもよいか?
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